勘違い日記 Blog

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  • 2025.07.19

【第15回】イベント屋としての顔──演出の舞台裏とその苦悩

深井
今回は、野田さんの“イベント屋”としての一面に迫ってみたいと思います。出版イベントやトークライブなど、精力的に開催されていますよね。

野田
そうですね。ありがたいことに、あちこちから声をかけていただくことも増えて、年に数回は大きめのイベントをやっています。

深井
直近では、丸の内の蔦屋書店での出版イベントが印象的でした。私も参加させていただきましたが、手が込んでいて、とても丁寧に作られている印象を受けました。

野田
ありがとうございます。あの日は本当にたくさんの方に来ていただいて、感謝の気持ちでいっぱいでした。でも、表からは見えない舞台裏では、実はいろいろありまして…。

深井
そうなんですね。舞台裏のドラマ、気になります。

野田
例えば音響トラブルですね。オープニングで流すはずの音楽が流れなくて。イベントの空気をつくる大事な部分だったので、内心かなりショックで(笑)。

深井
そうだったんですか! 観客席からはまったく気づきませんでしたよ。

野田
あの場ではなんとか顔に出さずに済みました(笑)。イベント中の皆さんの表情がすごくよかったので救われました。笑顔が見えて、リアクションも温かくて。今回はとにかく「ありがとう」という気持ちを伝えたかったんです。それがちゃんと届いた実感があったので、やってよかったなと思います。

深井
なるほど。そういう届けたい想いがあるからこそ、イベントを続けていらっしゃるわけですね。

野田
そうですね。でも実は、もともとイベントって「やらなきゃ」じゃなくて「やりたいからやってる」ものなんですよ。 もちろん伝えたい想いやテーマはあるけれど、まず自分自身がその場にいたいと思えるかどうか。子どもの頃からずっと、「こんなのがあったら面白いんじゃないか?」っていうイメージを形にしてる感覚です。

深井
小学生の頃から肝試しや花火大会を企画していたとプロフィールでも書かれていましたもんね。そういう一種の“遊び心”を持ち続けているということですね。

野田
ええ、まさに。だからこそ準備も楽しめるし、トラブルも含めて全部が「体験」になる。最近は教会での公開収録イベントも企画中なんですが、それも「場の空気」が好きだからこそやってみたいと思えたんです。

深井
それは気になりますねぇ。どんなイベントなんですか?

野田
Podcastの公開収録なんですけど、テーマは「死からはじめる人生相談」。一見遊びのように見えて、実はとても真面目な問いかけをしたいと思っているんです。

深井
面白そう! 深いテーマですけど、野田さんの自然な語り口なら素直に聞けそうです。場所や演出にもこだわっていらっしゃるんでしょうね。

野田
そうですね。やっぱり空間の持つ力って大きいですから。リアルイベントの醍醐味は、まさにそこだと思っています。照明ひとつ、音響ひとつで“物語”が変わる。うまくいかないこともありますけど、それも含めて現場でしか味わえない空気があるので、これからも懲りずにやっていくと思います(笑)。