勘違い日記 Blog

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  • 2025.10.25

【第29回】野田流・人材発掘の極意は「人間味」を大切にすること

深井
これまでの対談で、野田さんご自身のユニークな活動について色々とお聞きしてきました。そうなると一緒に働く社員の方々も、やはり個性的な方が多いのでしょうか?

野田
そうですね……それでいうと、実はうちの社員はほとんどが葬儀業界の未経験者なんです。

深井
えっ、そうなんですか! てっきり経験者の方が多いのかと思っていました。

野田
もちろん経験者の方が素晴らしいこともたくさんあるんですが、僕らは僕らなりのやり方を大切にしているので、あえてゼロから一緒に文化を作っていける未経験の方と働くことが多いんです。

深井
なるほど。ライフワークスさんならではの価値観を大切にされているからこそ、未経験の方でも問題なく戦力として活躍できるということなんですね。

野田
そうですね。それに異業種での経験が、この仕事に活きることもたくさんあるんです。今うちで活躍してくれている社員の中にも、例えば元ホームセンター店員や元脚本家がいたりしますし。

深井
へぇ! どちらも葬儀とは全く違う世界から転職されたんですね。

野田
そうなんです。でも全く畑違いかというと、意外とつながる部分もあって。例えばホームセンターで10年間お客様と向き合ってきた経験は、仕事の段取りや人との接し方につながっています。元脚本家の彼は以前お話したYouTubeチャンネルの企画を考えてくれていて、その構成力や演出力にはいつも助けられています。

深井
ははぁ、なるほど。一見、関係なさそうな経験が思わぬ形で強みになっているんですね。ちなみに皆さんどういった動機で転職されてくるんですか?

野田
様々ですね。「もっと深くお客様に寄り添って、『ありがとう』と言われる仕事がしたい」という人もいれば、「AIには代替されない、人間味のある仕事がしたい」という人もいます。キリスト教系の会社だから、きっと優しい雰囲気に違いない、と思って来てくれたスタッフもいますね(笑)。

深井
ああ、わかる気がします(笑)。いずれにしても、皆さんそれぞれの人生経験の中で、「人間味」や「寄り添うこと」の大切さを感じてこの仕事に辿り着いた、ということなんでしょうね。

野田
そうだと思います。葬儀という仕事は、ご遺族の悲しみに寄り添う仕事です。もちろん知識や技術も必要ですが、それ以上に大切なのは「その人がこれまでどんな人生を歩んできたか」ということなんです。

深井
深いですね…。つまり採用基準は「人生経験」そのものだと。

野田
ええ。若さや元気さだけでは、時には「頼りない」と感じられてしまうのが、この仕事の難しいところでもあって。酸いも甘いも知っているからこそ出せる、その人の「オーラ」や「人間味」こそが、ご遺族の心を少しでも軽くすることができるんです。

深井
なるほど。だからこそ、マニュアルにはない、心に寄り添う温かいお見送りができるんですね。