勘違い日記 Blog

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  • 2026.01.03

【第39回】「変わらない」という最強の戦略

深井
野田さんといえば、ご自身のラジオ番組でもかける曲は「山下達郎オンリー」という徹底ぶりですよね。ファン歴でいうとどれくらいなんですか?

野田
15歳から聴いてますから、もう36年になりますね。昔はけっこうチケットも取りやすかったんですけど、最近はなかなか大変で。先日、2年ぶりにライブに行ってきたんですが、ファンクラブ先行からキャンセル待ちまで含めて、27回も申し込みましたから。

深井
それはすごい…もはや執念ですね(笑)。でも前回のバイクのお話では「完成したら満足して手放しちゃう」と仰ってましたよね。山下達郎さんに関しては30年以上もファンで居続けられるのはなぜなんでしょう?

野田
そこは自分でも不思議で(笑)。一つ言えるのは、「変わらない強さ」みたいなものを感じるんです。だから彼の音楽を聴くといつでも原点に立ち返れる。実際ライブでも、何十年も前の曲を、当時のレコードと全く同じキー、同じアレンジ、同じクオリティで再現するんですよ

深井
そうなんですね! 普通はライブならではのアドリブを入れたり、年齢に合わせてキーを下げたりしそうなものですけど。

野田
それが魅力のアーティストさんももちろんいらっしゃいますけどね。ただ達郎さんにはそれを良しとしない強さがあるんです。「お客さんはあの頃のあの音を聴きに来ているんだ」という徹底した職人気質ですよね。これって経営者の視点で見ると、とてつもなく難しいことなんです。

深井
ああ、確かに。「新商品を出しました」「リニューアルしました」と言う方が、楽な部分もありますもんね。変わらずに最高品質を出し続ける方が、裏側の努力が必要な気がします。

野田
そうなんです。毎回ライブに行くと、その「変わらなさ」に感動して震えます。……家でそれを熱く語ると、「よく何十年も同じ曲を聴いて飽きないね」って不思議がられますけどね(笑)。

深井
そうなんですね(笑)。でも36年って相当な長さですよね。その間、他のアーティストに浮気したり、寄り道したりすることはなかったんですか?

野田
実は最初から一筋だったわけじゃなくて、昔は長渕剛さんなんかも結構好きだったんですよ。でもある時、友人から「お前は山下達郎を聴いた方がいい」と勧められまして。

深井
えっ、それはまたどうしてですか?

野田
僕が長渕を聴くと、影響を受けすぎてしまうらしくて。どんどん尖った方向に進みそうになるというか(笑)。だからもっと爽やかな曲を聴いた方がいいと。

深井
ああ、なるほど(笑)。野田さん自身の熱量が高いからこそ、さらに熱量を上げる曲よりも、爽やかな曲を聴いてご自身をチューニングされていらっしゃると。

野田
そういうことです。放っておくと、すぐ熱くなってあちこち手を出したくなる性格なので(笑)。達郎さんの音楽で頭を冷やして、心を整える。そうやって「変わらない良い仕事」を積み重ねていくのが、今の僕には一番合っている気がします





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