勘違い日記 Blog
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- 2026.01.24
【第42回】「私の時もお願いね」という最高の報酬
深井
今回は少し真面目に「仕事論」を聞かせてください。葬儀のお仕事って、一般的には「大変そう」というイメージが先行しがちだと思うんです。それでも、野田さんの会社には若い方がインターンを経て入社されていますよね。
野田
みんな大学の授業がきっかけですね。僕が母校に行って「こういう業界があるんだよ」って話をするんです。それで興味を持って、夏と冬にインターンに来てくれる。
深井
ああ、以前仰ってましたね。でも授業で聞くのと実際に体験するのとでは、やはりギャップがあるでしょうね。
野田
ええ。だからみんな最初はガチガチです。でも2週間現場の空気を吸う中で、目の色が変わってくる瞬間があるんです。彼らが何に心を動かされているかというと、先輩スタッフがお客様からいただいている「ありがとう」の重みなんです。
深井
なるほど。確かに、例えば単純に物を売って「ありがとう」と言われるのと、人生の最期を見送って言われる「ありがとう」では、言葉の重みが全く違う種類のものになりそうです。
野田
そうなんです。ご遺族様は大切な方を亡くされて、深い悲しみと混乱の中にいらっしゃいます。「どうしていいかわからない」と呆然とされているところに、うちのスタッフが伺ってサポートさせていただく。
深井
想像を絶する不安の中ですよね。そんな時に、プロとして寄り添ってくれる存在がいることが、どれだけの支えになるか……
野田
以前、あるご家族様から「担当の方がスーパーマンのようでした」という言葉をいただいたことがあって。たとえ夜中であっても駆けつけて、ご家族様に寄り添い、必要な手順を淡々と、かつ丁寧に整えていく。その安心感こそが、少しでも救いになれたのかなと。
深井
混乱している時こそ、揺るがないサポートが心強いんでしょうね。無事に式を終えた後にご家族様からかけられる言葉で、特に印象に残っているものはありますか?
野田
最後にご家族様がスタッフの手を握ってよく言ってくださるのが、「私の時も、あなたにお願いしたいわ」という言葉なんです。
深井
は~、それは最大級の賛辞ですね。「あなただから任せられる」という、絶対的な信頼がないと出てこない言葉だと思います。
野田
本当にそう思います。そしてその信頼こそが、我々にとって一番の「報酬」なんです。いただくアンケートにも、「〇〇さんが担当で本当によかった」「何もわからない私たちを導いてくれて救われました」と、スタッフ個人の名前が入った感謝の言葉がびっしり書かれていることも珍しくありません。
深井
素晴らしいお仕事ですね。ご遺族からの深い信頼に応えられたという事実は、スタッフの方にとっても大きな自信になりますよね。
野田
ええ。ご葬儀から一年後にプリザーブドフラワーをお贈りするようにしているんですが、そうするとまた丁寧なお返事をいただいたりする。葬儀という「点」だけでなく、その後の人生という「線」で関わっていけると実感しますね。大変な仕事ではありますが、その絆の深さが、若いスタッフたちにとっても何よりのやりがいになっているんじゃないかなと思います。
深井
スーパーマンたちが育つ土壌が、なんとなく見えた気がしました。ただ業務をこなすのではなく心を通わせるプロフェッショナルとしての姿に、学生さんたちも憧れるんでしょうね。
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