勘違い日記 Blog
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- 2026.10.03
【第78話】期待を手放す「7割」のマネジメント
深井
野田さんのお話を聞いていると、スタッフの方々とすごくいい関係を築かれているなと感じます。でも長く経営している中で、期待通りでないことにイライラしてしまう、なんてことはなかったんでしょうか?
野田
それはもう、昔はしょっちゅうでしたよ(笑)。「ここまでやるべきでしょ」と自分の基準を相手にも求めて、そこに届かないとイライラしたり。でもここ2、3年は、いい意味であまり期待しすぎないようにしているんです。
深井
へぇ、そうなんですね。それは何かきっかけがあったんでしょうか?
野田
20年近く仕事をしてきて、自分も含めて「人ってそう簡単には変われないんだな」という現実が見えてきたのが大きいかもしれません。若い頃はどんどん新しいことを吸収して伸びていきますけど、ある程度経験を重ねると、それぞれのスタイルや考え方が固まってきますよね。
深井
確かに。年齢や経験とともに自分のやり方や価値観が定まってくる部分はありますね。
野田
ええ。だから、何度言っても同じミスを繰り返してしまうスタッフに対しても、昔は「なんでできないの!」と怒っていたんですが、今は「OK、大丈夫!」と明るく受け止められるようになりました(笑)。無理に自分の枠に当てはめて、相手を変えようとするのをやめたんです。
深井
なるほど。でもそこを手放すのは、経営者としても結構勇気がいることですよね。ご自身の中で葛藤はなかったんですか?
野田
最初はありましたよ。なんでやらないんだろうってイライラして。でもある時、妻から言われたんです。「あの人はあの業務がすごく得意なんだから、そこをしっかりやってくれているならそれでいいじゃない」って。
深井
おお、なるほど。奥様は本当に核心を突かれますね。
野田
そうなんですよ。その言葉のおかげでハッとさせられました。できていないところばかり見るのではなく、その人の「いいところ」や「得意なこと」に目を向ければいいんだなと。それからは、スタッフへの向き合い方がだいぶ変わりましたね。
深井
奥様の一言が、野田さんが相手の個性を受け入れるための大きな転機になったと。
野田
本当にそうです。そうやって相手を受け入れるうちに、自分の仕事に対するこだわりも、少しずつ手放せるようになりました。僕の中での法則なんですが、「7割できていればOK」と思うようにしたんです。
深井
へぇ、常に100%を求めるわけじゃないんですか。
野田
本当は100%を追求したい気持ちもあるんですけどね(笑)。でも僕が求める100%って、結局は個人的な基準でしかないんです。自分にとっては完璧だと思っても、他の人から見たら全然違うかもしれない。そう考えたら、求めているものの6~7割ができているなら「いいね」と認めてあげた方が、お互いにとっていいんじゃないかと。
深井
すごく素敵な考え方ですね。相手に100%を求めてダメ出しをするより、7割を認めて任せる。それが結果的にスタッフの方の成長や、チームのよさを引き出すことにつながっている気がします。
野田
そうですね。こだわりを手放したことで、少しずつ大きなイベントもスタッフに任せられるようになりました。結果的に、その方が皆のびのびと動いてくれて、いい仕事をしてくれるんですよ。
深井
なるほど! 皆さんの活躍の裏には、野田さんのそんな意識の変化があったんですね。「相手に期待しない」というのは、突き放すことではなく、その人のありのままを受け入れて信じるという、いわば究極のマネジメントなのかもしれませんね。
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